アルバイトを始めようと思ったとき、まず気になるのが「どのくらい稼げるのか」という点です。月に5万円で十分という人もいれば、学費や生活費のために10万円以上を目指す人もいます。とはいえ、平均月収がわからなければ、自分の目標金額が現実的なのか判断しにくいもの。本記事では、最新データをもとにバイトの平均月収を解説し、職種や年代ごとの傾向、さらには収入を増やすための工夫まで、幅広く紹介します。
バイトの平均月収はいくら?最新データから見る相場
アルバイトの平均月収は、職種や勤務時間、地域などによって大きく異なります。まずは、全体的な相場を押さえておきましょう。
全国平均から見る月収相場
厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査」によれば、アルバイトの平均時給は1,120円前後(2024年時点)。この時給で週に20時間働いた場合、1ヶ月の収入は約89,600円となります。一般的な学生や主婦のシフト頻度を考慮すると、バイトの平均月収は8〜10万円前後がひとつの目安です。
フリーターのようにフルタイム近く働く場合は、週40時間×4週間で月収約179,200円。都道府県ごとの最低賃金も影響するため、東京や大阪などの都市部では平均月収が高くなり、地方は低くなる傾向があります。
職種別バイト平均月収ランキング
時給の高さによって月収にも明確な差が出ます。たとえば以下は、一般的なバイトの職種ごとの傾向です。
飲食店スタッフ(ファストフード、居酒屋など):月収7〜9万円
コンビニスタッフ:月収7〜8万円
塾講師・家庭教師:月収12〜15万円(時給が高いため、短時間でも稼げる)
物流系・工場系(日雇いや短期バイト含む):月収10〜13万円
イベントスタッフや警備員:月収12〜18万円(不定期ながら高日給)
月収を左右するのは、時給だけでなく「安定して働ける環境かどうか」という点も重要です。高時給でもシフトが少なければ月収は伸びません。
年代別・ライフスタイル別に見る月収の実態
バイトと一口に言っても、働く人の年齢やライフスタイルによって稼ぎ方も月収も異なります。それぞれのケースを見ていきましょう。
高校生・大学生の平均月収
高校生の場合、法律により22時以降の勤務ができず、シフト時間が限られます。週3日×1日4時間などの働き方が主流で、月収は3〜5万円程度が一般的。大学生になると授業のない日や長期休暇に多めにシフトを入れることも可能で、月7〜10万円を稼ぐ学生も少なくありません。
ただし、学業との両立を優先すべきなので、無理なシフトは控えたほうがよいでしょう。家庭教師や塾講師のような高時給バイトは、少ない時間でも安定収入が見込めるため学生に人気です。
フリーター・ダブルワークの月収例
フリーターはバイトが主な収入源であるため、月20万円以上を稼ぐことも珍しくありません。飲食業や工場勤務など、シフト制で週5日・1日8時間の勤務をすれば、正社員並みの月収が見込めます。
一方、掛け持ちをしている人は、シフトの組み方次第で月収が大きく上下します。たとえば、昼間はカフェ、夜はイベント設営といった働き方なら、効率よく15万円以上稼ぐことも可能です。ただし、体力的な負担も大きくなるため、無理のないスケジュール管理が必須です。
主婦・シニア層のバイト月収の特徴
主婦層は、扶養範囲内に収めるため月収を「10万円未満」に抑えるケースが多く見られます。とくに103万円・130万円の壁を意識して年間収入を調整する家庭も多いため、1ヶ月あたりの目標月収は8万円程度になることが多いです。
シニア層は、年金受給と両立する働き方が中心。週2〜3日勤務の軽作業や、警備・清掃など体に負担の少ないバイトが主流で、月収は5〜8万円が相場です。
バイトで月収を上げるための工夫と戦略
同じ時間働いても、少しの工夫で月収は変わります。ここでは、収入を効率よく伸ばす方法を紹介します。
時給以外に注目すべきポイント
意外と見落とされがちなのが、基本時給以外の手当や補助です。
- 深夜手当(22時以降は25%アップ)
- 残業手当(法定時間を超えた労働に加算)
- インセンティブ(目標達成によるボーナス)
- 交通費支給の有無(自費か会社負担かで実質の手取りが変わる)
たとえば、時給1,100円でも深夜帯に働けば1,375円になります。深夜勤務が可能な人は、自然と月収アップが狙えます。
効率よく稼ぐシフトの組み方
週末や祝日など、時給が上がる時間帯を狙ってシフトを入れるのも有効です。また、曜日によって来客数が違う業種では、忙しい曜日のほうがシフトが増える傾向があります。
複数のバイトを掛け持ちする場合は、時間がかぶらないような組み方や、同じ勤務地近くの職場を選ぶなど、移動時間を削減する工夫も重要です。
長期的に稼ぐための視点
長く働くことで昇給のチャンスがある職場では、安定的な月収アップが期待できます。特に大手チェーンの飲食店や塾などでは、一定の勤務期間や評価制度に基づいて時給が上がる制度を採用しているケースがあります。
また、資格が活かせるバイト(例:調理師免許、語学力、パソコンスキルなど)では、スタート時給が高くなることもあり、長期的に見てお得です。
バイトの月収に関するよくある疑問と注意点
バイトの月収に関しては、よくある疑問がいくつかあります。ここでは代表的なものを取り上げ、解説します。
「最低何時間働けば月10万円稼げるのか?」
仮に時給1,200円で月10万円を目指す場合、必要な労働時間は約84時間。週に21時間、つまり週3日・1日7時間勤務すれば達成可能です。ただし、シフトに希望通り入れるかどうかは職場次第なので、面接時に確認することが重要です。
「平均より低いのはおかしい?」
周囲と比べて自分の月収が低いと感じることもあるかもしれませんが、まずは「勤務時間」「時給」「シフトの頻度」などを分析しましょう。そもそも週2回・短時間のシフトしか入れていなければ、平均に届かないのは当然です。
税金や保険との関係
バイトでも一定以上の月収があると、所得税や住民税が発生します。たとえば、年収103万円を超えると所得税がかかり、130万円を超えると社会保険への加入義務が発生します。
とくに主婦や学生の場合、扶養範囲内にとどめたいか、それとも自力でしっかり稼ぎたいかによって、働き方を計画的に調整する必要があります。
バイト平均月収に関する最新トレンド
ここ数年、バイト市場にも変化が見られています。時給や働き方にも新しいトレンドが生まれており、収入面にも影響を与えています。
求人市場の変化と時給上昇傾向
2024年の最低賃金引き上げにより、全国的に時給は上昇傾向にあります。とくに都市部では人手不足の影響もあり、最低でも1,100円以上の求人が多く見られます。さらに、物流や介護、飲食などの業界では、採用競争が激化しており、研修期間から高時給を提示する企業も増えています。
人気急上昇中のバイト職種とその収入例
近年人気を集めているのが、以下のような新興職種です。
フードデリバリー(例:Uber Eats):配達件数に応じた成果報酬型で月10〜20万円も可能
SNS運用補助:企業アカウントの投稿作業やコメント対応など。月5〜10万円の在宅案件が存在
ライブ配信のモデレーターやサポートスタッフ:時給1,200円〜の案件あり
従来のバイトにとらわれず、自分のスキルやライフスタイルに合った働き方を選ぶ時代になっています。
まとめ
アルバイトの平均月収は、時給や勤務日数、職種によって大きく異なります。全体としては月7〜10万円程度が一般的なラインですが、働き方によっては15万円以上を稼ぐことも可能です。自分の生活スタイルや目標に合った職場を選び、時給以外の条件にも注目することで、より効率的に収入を得ることができるでしょう。バイトを単なる一時的な手段とせず、計画的に活用することで、生活の安定や将来の準備にもつながります。