奨学金の返し方は?返還方法や返還がきつい理由・対処法を解説

奨学金の返し方は

奨学金は大学進学や専門学校への入学のために利用する方が多いですが、卒業後には返還が必要になることから、事前に返還方法や期間について理解しておくことは重要です。

奨学金の返還方法にはいくつかの選択肢があり、所得状況やライフプランに応じて適切な方法を選ぶことができます。

本記事では、奨学金の返し方や返還が厳しいと感じる理由、そしてその対処法について詳しく解説します。

目次

奨学金の返し方は?返還方法の種類

ここでは、奨学金の返還方法を3つご紹介します。

【奨学金の返還方法の種類】

  • 定額返還方式
  • 所得連動返還方式
  • 繰上返還

順に解説していきます。

定額返還方式

定額返還方式は、貸与総額に応じて毎月一定額を決められた期間内に返還していく方法です。

この方式のメリットは、返還額が一定であるため、毎月の支出を計画的に管理できることです。

返還方式は、安定した一定の収入がある場合に適した返還方法と言えるでしょう。

所得連動返還方式

所得連動返還方式は、前年の所得に基づいてその年の毎月の返還額が決定される仕組みです。この方式の特徴は、収入が少ない年には返還額も減少し、収入が増えた年には返還額が増加するため、収入が少ない時期も無理なく返還できる点にあります。

返還を開始する初年度は、定額返還方式で定められた月額の半額でスタートします。それでも返還が難しい場合は、申請を行うことで月額2,000円まで減額することが可能です。この減額は就職後すぐに安定した収入が見込めない場合に、返還負担を軽減する有効な手段となります。

また、所得連動返還方式を選択する場合、個人番号(マイナンバー)の提出が必須となります。

繰上返還

繰上返還とは、通常の返還スケジュールよりも早く、一部または全額をまとめて返還する方法です。繰上返還を利用することで、利息の負担を軽減し、全体の返還期間を短縮することができます。

返還は、通常の返還と同様に、登録されている銀行口座から自動引き落としで行われ、繰上返還に伴う手数料は発生しません。

一部繰上返還を希望する場合、あらかじめ繰上げる金額の上限を設定するか、もしくは希望する繰上回数を選択する必要があります。金額を指定した場合、その金額に基づいて繰上可能な回数が計算され、必要に応じて調整が行われます。

なお、一部繰上返還を実行すると、その分返還期間が短縮されるため、結果的に支払う利息が少なくなりますが、毎月の返還額自体が減額されるわけではありません。

繰上返還後も、翌月以降の通常の返還額は変わらず、引き続き振替が行われます。繰上返還は早期に返還を完了させたい方や、利息負担を軽減したい方にとって有効な選択肢です。

奨学金の返還時期はいつから?

奨学金の返還は、貸与終了月の翌月から数えて7か月後に開始されます。具体的には、卒業や退学などで奨学金の貸与が終了した後、半年の猶予期間が与えられ、その後口座振替による返還が始まります。

返還が始まる前には、「返還確認票」(貸与総額や返還条件を記載)や「返還のてびき」、「口座振替(リレー口座)加入申込書」が日本学生支援機構より送付されます。

書類が届き次第、指定された期限までに口座振替加入申込書を金融機関へ提出し、口座振替手続きを完了する必要があります。提出が遅れると返還手続きが遅れたり、未払いのリスクが生じるため、早めに対応をすると良いでしょう。

奨学金の返還がきつい?延滞している理由

日本学生支援機構の調査によると、奨学金の返還がきつく延滞している最も大きな理由として挙げられるのは、「本人の低所得」で、全体の62.9%がこの理由を挙げています。これは、収入が安定しない場合や、収入が奨学金返還額に対して十分でない場合に返還が厳しく感じられることを意味しています。

次いで「本人の借入金(日本学生支援機構奨学金以外)の返済」が全体の31.2%、「本人が失業中(無職)」が25.3%という結果になりました。

参照元:令和4年度奨学金の返還者に関する属性調査結果 | JASSO

奨学金の返還がきつい場合の対処法

奨学金の返還が厳しい場合には、日本学生支援機構が用意している救済制度を利用することで対処できる場合もあります。

【日本学生支援機構の救済制度】

  • 減額返還制度
  • 返還期限猶予制度

順に解説していきます。

減額返還制度

減額返還制度は、経済的な困難により通常の返還額での返還が難しい場合に、返還額を一部減額し、返還期間を延長することで返還を続けることができる制度です。返還月額は当初の金額を2分の1、3分の1、4分の1、または3分の2に減額することが可能で、最大で15年間(180か月)適用できます。

この制度の適用条件としては以下のとおりです。

  • 災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難であること
  • 願出及び審査の時点で延滞していないこと
  • 口座振替(リレー口座)加入者であること
  • 月賦返還であること

減額返還中に2回連続で振替ができなかった場合、制度の適用取り消し並びに延滞額に対して延滞金が加算されるため、注意しましょう。

返還期限猶予制度

返還期限猶予制度は、災害、傷病、経済的困難、失業などの理由で奨学金の返還が難しい場合に、一定期間返還を猶予できる制度です。猶予期間は通算10年(120か月)までの適用ですが、改めて猶予を願い出ることで通算15年(180か月)まで延長可能です。

猶予が承認されれば、その期間中は返還の義務が一時的に停止され、返還終了日もその分延長されます。ただし、元金や利子の免除があるわけではないため、将来の返還負担は変わりません。

審査の結果、猶予が認められない場合は、返還を続ける必要があります。

申請は、インターネットの「スカラネット・パーソナル」から手続きが可能です。猶予制度を利用することで、一時的に返還の負担を軽減することができますが、猶予期間終了後には通常の返還が再開されます。

まとめ

奨学金の返還は、卒業後の生活設計に大きな影響を与えるため、事前に方式や期間を理解しておくことが重要です。

定額返還方式や所得連動返還方式など、自分の経済状況に応じた返還方法を選び、無理なく返還を進めることが求められます。

もし返還が厳しいと感じた場合は、減額返還制度や返還期限猶予制度を活用し、早めに対策を講じることで、延滞リスクなどを軽減することができるでしょう。

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執筆者

大学卒業後、金融機関にてリテール業務・法人融資業務などを経験。現在は金融・ライフスタイル領域を中心に年間1,000記事以上の記事執筆や数百万PVの金融系メディアのディレクションも行っている。

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