専門学校の学費が払えない・間に合わないときの対処法|分納の頼み方・使える制度・除籍までの流れ

専門学校の学費が払えないとどうなる?遅れる場合の対処法などを解説

「後期の学費の納期が来週なのに、お金が足りない」「親の仕事が変わって、来年度分が払えそうにない」「督促の手紙が届いた」——専門学校の学費をめぐる悩みは、状況によって打つ手が変わります。

先に、この記事の結論です。

  • 払えないと分かった時点で、納期前に学校へ相談するのが最優先。多くの学校に延納(期限の延長)・分納(分割払い)の仕組みがあり、相談が早いほど選択肢が多い
  • 納期を過ぎても、督促の段階で連絡すれば除籍を避けられるケースが大半。放置が最も危険
  • 使える制度は修学支援新制度(専門学校も対象・授業料減免+給付)、JASSO奨学金(在学採用・家計急変時の緊急/応急採用)、国の教育ローン、学校が導入している学費保証サービスの4つ
  • 除籍は「学費未納→督促→期限指定の最終通告→除籍」の順で進むのが一般的。ただし基準・猶予は学校規程で異なる

この記事は、学費保証事業を行う全保連が運営するメディアとして、時系列に沿った対処法、分納・延納をお願いするときの伝え方(例文つき)、制度の比較表、除籍までの流れをまとめたものです。専門学校の学費の相場や支払い時期の全体像は専門学校の学費まとめ、納期の目安は専門学校の学費はいつ払う?をご覧ください。


目次

専門学校の学費はいくら?なぜ「払えない」が起きやすいのか

東京都専修学校各種学校協会の「令和6年度 専修学校教育白書」によると、都内の専門学校(専門課程・昼間部)の初年度納入金の総平均は1,301千円です。

項目平均額(千円)
入学金181
授業料736
実習費128
設備費172
その他85
合計1,301

(出典:東京都専修学校各種学校協会「専修学校各種学校統計資料」 令和6年度専修学校教育白書「都内の専修学校・各種学校の学納金」専門課程昼間部総平均。分野別では理学療法・作業療法1,781千円、はり・きゅう1,768千円など医療系が高く、分野で最高額2,570千円〜最低額390千円まで幅がある)

専門学校の学費で「払えない」が起きやすい理由は3つあります。

  1. 年2回の一括納付が主流:授業料・実習費・設備費を前期・後期に分けて数十万円単位で納めるため、1回の支払いが大きい
  2. 実習費・設備費が大学より重い:医療・調理・美容など実習中心の分野では、授業料以外の費目だけで年30万円を超えることがある
  3. 修業年限が2年と短い:奨学金の在学採用や教育ローンの審査を待つ間に納期が来てしまう

【時系列】学費が払えないときの対処法

状況を「納期前」「納期を過ぎた」「督促が来た」「除籍の通知が来た」の4段階に分けて、それぞれで取るべき行動を整理します。

段階1:納期前に「払えない」と分かった

やること:学費担当窓口に相談し、延納・分納を申し出る

もっとも選択肢が多い段階です。多くの専門学校は学則や納付規程で、経済的理由による延納(納期を延ばす)分納(数回に分けて払う)を認めています。申請には所定の願書と理由の記載、保護者の署名が必要なことが一般的で、締切は納期の1〜2週間前に設定されていることが多いため、迷ったらまず窓口に電話してください。

同時に、後述の制度(修学支援新制度・JASSO在学採用・教育ローン・学費保証)のうち使えるものに申し込みを始めます。

段階2:納期を過ぎてしまった

やること:その日のうちに学校へ連絡し、支払い予定日を伝える

納期を過ぎても、すぐに除籍になることはまずありません。ただし「連絡がない未納」と「事情を伝えたうえでの未納」は学校側の扱いが大きく違います。いつまでに、いくら払えるかを具体的に伝え、延納・分納の事後申請ができないかを確認しましょう。

段階3:督促(催告)の通知が来た

やること:通知に書かれた期限と連絡先に、必ず期限内に反応する

督促状には「〇月〇日までに納付がない場合は除籍手続きを行う」といった最終期限が書かれていることがあります。この期限が実質的な最後のラインです。全額が無理でも、一部納付と残額の支払計画を示せば、除籍を保留してもらえる可能性があります。

段階4:除籍の通知が来た

やること:復籍(再入学)の条件を確認し、学費の目途をつける

除籍後でも、未納分を納めれば復籍を認める学校があります。ただし復籍の可否・期限・手数料は学校ごとに異なり、学期をまたぐと単位や実習の履修計画に影響します。除籍通知を受けたら、すぐに学校と保護者の三者で復籍条件を確認してください。学校を続けるかどうか自体を迷っている場合は専門学校を辞めたい…後悔しないための選択肢も参考になります。


分納・延納の頼み方と「理由」の書き方

延納・分納の願書では「理由」の欄で悩む人が多いですが、学校が見ているのは理由の立派さではなく、支払いの見通しが具体的かどうかです。

伝えるべき3点

  1. 払えない事情(家計の急変か、一時的な資金不足か)
  2. いつ・いくら払えるか(支払予定日と金額。分納なら回数と各回の金額)
  3. その根拠(奨学金の採用予定、ローンの審査中、就労収入など)

理由の書き方の例文

例1:保護者の失職・減収

生計を支えている父が〇年〇月に勤務先の業績悪化により退職し、現在求職中のため、後期授業料〇〇円を納期(〇月〇日)までに一括で納めることが困難です。日本学生支援機構の緊急採用奨学金を〇月に申請しており、採用後は〇月から月額〇〇円の分納で納入いたします。つきましては、〇月〇日から〇回の分納をお認めいただけますようお願い申し上げます。

例2:一時的な資金不足(納期の延長)

学費に充てる予定であった国の教育ローンの融資実行日が〇月〇日となるため、納期の〇月〇日に間に合いません。融資実行後、〇月〇日までに全額を納入いたしますので、納期の延長をお願い申し上げます。

例3:自分で学費を払っている

学費を自身のアルバイト収入で賄っておりますが、〇月の収入が予定を下回り、前期実習費〇〇円のうち〇〇円が不足しております。不足分は〇月と〇月の2回に分けて納入いたします。

書き方のコツは、「困っています」で終わらせず、「〇日までに〇円払います」で終えることです。虚偽の理由は後で信頼を失うので、事実だけを簡潔に書いてください。自分で学費を払う場合の考え方は専門学校の学費を自分で払うことはできる?にまとめています。


使える制度の比較表

学費が払えないときに使える主な制度を、「専門学校が対象か」「いつ使えるか」「お金が入るまでの時間」で比べます。

制度内容対象申込時期資金が動くまで
修学支援新制度(給付奨学金+授業料等減免)私立専門学校:授業料減免上限59万円/年・入学金16万円、給付月額 自宅38,300円/自宅外75,800円(第Ⅰ区分。第Ⅱ区分は2/3、第Ⅲ区分は1/3)。国公立は授業料166,800円・入学金7万円、給付 自宅29,200円/自宅外66,700円住民税非課税・準ずる世帯、多子世帯(2025年度から所得制限なく減免)。専門学校も対象高3の予約採用、または在学採用(春・秋の年2回)。家計急変は随時採用決定後。減免は学校が授業料に反映
JASSO貸与奨学金(在学採用)第一種(無利子):私立専門学校 自宅2〜5.3万円/自宅外2〜6万円、国公立 自宅2〜4.5万円/自宅外2〜5.1万円。第二種(有利子):月2〜12万円を1万円単位専門課程を置く専修学校の在学生原則春・秋の年2回採用決定後、月ごとの振込
JASSO緊急採用・応急採用家計急変時の第一種(緊急)・第二種(応急)。月額は通常の在学採用と同じ生計維持者の死亡・事故や病気・失職(退職・倒産・廃業)・災害・DV等で家計が急変した学生年間を通じて随時。進学前の事由は進学後3か月以内、進学後の事由は発生から12か月以内学校経由で申請→採用後
国の教育ローン(日本政策金融公庫)子ども1人につき上限350万円(自宅外通学等は450万円)。固定金利年4.05%(令和8年7月時点・優遇3.65%)。返済最長20年、在学中は利息のみの返済も可修業年限3か月以上の教育施設(専修学校を含む)。世帯年収上限は子1人790万円・2人890万円・3人990万円(所得ベース600/690/790万円)通年。入学資金は入学月の翌月末まで融資可申込から融資まで時間がかかるため必要時期の2〜3か月前の申込を推奨
学費保証サービス(学校が導入している場合)全保連の学費保証は、学校が指定する学費を学校指定の分納回数で口座振替により月々払えるサービス。保証会社が学校に学費を保証するため、学校側は分納を受け入れやすい学費保証を導入している専門学校の学生。学校からの案内が前提学校の案内に従い電子申込→審査→口座振替登録→電子契約初回振替月から

(出典:文部科学省「授業料等減免額(上限)・給付型奨学金の支給額」JASSO「給付奨学金の支給額」JASSO「在学採用 申込手続き」JASSO「平成30年度以降入学者の第一種奨学金貸与月額」JASSO「第二種奨学金」JASSO「緊急採用・応急採用」JASSO「被災・家計急変時の申込資格」JASSO「家計急変採用(給付奨学金)」日本政策金融公庫「教育一般貸付」同「ご利用条件や金利」全保連「学費保証(Z-College support)」同「学生様へ」

制度の選び方

  • 家計が急変した(親の失職・死亡・病気・災害)→ JASSOの緊急採用・応急採用(貸与)と家計急変採用(給付)は随時申込可。学校の奨学金窓口へすぐ相談
  • もともと家計が厳しい→ 修学支援新制度。専門学校生の場合、私立で授業料減免上限59万円+給付月額最大75,800円(自宅外)は年間の学費の大部分をカバーする。まだ申請していないなら在学採用の春・秋募集を逃さない
  • 今回だけ間に合わない→ 学校の延納・分納、または国の教育ローン。ローンは2〜3か月かかるので、次の納期に向けて早めに動く
  • 毎回の一括納付が負担→ 学校が学費保証サービスを導入していれば、月々の分納に切り替えられる。学費担当窓口に「分納の制度はあるか」を聞く

JASSO奨学金の審査で落ちた・落ちそうな場合の考え方は奨学金に落ちる確率は?、給付型の要件は給付型奨学金はもらえる確率どれくらい?、第一種の詳細は第一種奨学金とは?で解説しています。貸与型を申し込むときは人的保証か機関保証かの選択が必要で、機関保証の保証料はこちらで確認できます。


学費保証とは:分納を「学校に受け入れてもらう」仕組み

分納を頼んでも、学校側には「分割にしたら途中で払われなくなるのでは」という不安があります。学費保証サービスは、その不安を保証会社が引き受けることで、学校が分納制度そのものを用意できるようにする仕組みです。

全保連の学費保証(Z-College support)では、学生・保護者は学校指定の費用を学校が指定する分納回数で口座振替により納付し、全保連が学校に対して学費を保証します。学校にとっては「指定日に確実に入金される」「滞納による除籍などのリスクを減らせる」、学生にとっては「振込の手間がない」「月々の分納が可能になる」ことがメリットです。利用の流れは、学校の案内→電子申込→審査(必要に応じて電話確認)→口座振替登録→電子契約で、初回振替月からサービスが始まります。

(出典:全保連「学費保証(Z-College support)」同「学生様へ」

利用できるのは学費保証を導入している学校に限られるため、まずは自分の学校に制度があるかを確認してください。仕組みの詳細と申し込みの流れは学費保証とは?で解説しています。


学費を払えないとどうなる?除籍までの一般的な流れ

学費未納から除籍までの流れは学則・納付規程で定められており、学校によって猶予期間や基準が異なります。以下は多くの学校に共通する一般的な流れで、個別の学校の扱いを断定するものではありません。

段階起きること学生側の打ち手
① 納期を過ぎる未納の状態。すぐに処分になることは少ない学校へ連絡・支払予定日の提示
② 督促(催告)書面・電話で納付を求められる。保護者に連絡が行くことも延納・分納の申請、一部納付
③ 最終期限の通告「〇日までに納付がなければ除籍」と期限を切った通知期限内に納付か、支払計画の合意
④ 除籍学籍が失われ、授業・実習・試験を受けられない。卒業証明は出ない復籍条件の確認・未納分の納付

除籍と退学は異なります。退学は本人の意思による届出で「退学証明」が出ますが、除籍は学校側の処分で、在学期間の扱いや復籍の可否が学校規程に委ねられます。除籍後の復籍を認める学校でも、未納分の全額納付が条件になるのが一般的です。

除籍で失うのは学籍だけではありません。 実習先の内定、国家試験の受験資格(修了見込みが前提の資格)、就職の内定に連鎖します。だからこそ、督促の段階で必ず学校と話をしてください。


学費で困る前にできる3つの準備

  1. 納期を年間カレンダーに入れる:前期・後期の納期、実習費の徴収時期、奨学金の在学採用(春・秋)の締切を一覧にする
  2. 給付型を先に押さえる:修学支援新制度は在学中でも申し込める。家計が変わったら家計急変採用の対象になる可能性がある
  3. 学校の分納・延納制度と学費保証の有無を入学時に確認する:「使わない前提」で聞いておけば、いざというとき最短で動ける

よくある質問

Q. 学費の納期に1週間だけ間に合いません。どうすればいいですか?A. 納期前に学校の学費担当窓口へ連絡し、支払予定日を伝えて延納を申し出てください。数日〜数週間の延納は事務手続きで対応してもらえることが多く、連絡なしの遅れとは扱いが違います。

Q. 分納をお願いするときの理由は、正直に「お金がない」でいいですか?A. 事実を簡潔に書いて構いませんが、「いつ・いくら払えるか」と「その根拠」を必ず添えてください。学校が判断するのは支払いの見通しです。

Q. 学費が払えないと、すぐに除籍になりますか?A. 一般的には納期超過→督促→最終期限の通告→除籍の順で進み、督促の段階で連絡すれば除籍を避けられることが大半です。ただし基準は学校規程によるため、学則の納付に関する条文を確認してください。

Q. 親の失職で来期から払えません。今から使える制度は?A. JASSOの緊急採用(第一種)・応急採用(第二種)と、給付奨学金の家計急変採用は年間を通じて随時申し込めます(事由発生から12か月以内)。学校の奨学金窓口に事情を伝え、必要書類を確認してください。

Q. 修学支援新制度は専門学校も対象ですか?A. 対象です。私立専門学校の場合、授業料減免上限は年59万円、入学金16万円、給付奨学金は自宅通学38,300円・自宅外75,800円(第Ⅰ区分・月額)です。対象校は文部科学省が公表している確認校一覧で確認できます。

Q. 国の教育ローンは学生本人が借りられますか?A. 教育一般貸付の申込人は主に保護者です。学生本人が申し込めるかどうかは収入等の条件によるため日本政策金融公庫に確認してください。本人で学費を用意する場合は、JASSO貸与奨学金と学校の分納制度を組み合わせるのが現実的です。

Q. 学費保証は誰でも使えますか?A. 学校が学費保証サービスを導入している場合に、学校からの案内を受けて申し込みます。個人が単独で契約するものではないため、まず学校に導入の有無を確認してください。


まとめ

  • 専門学校の初年度納入金は都内平均で約130万円(令和6年度・専門課程昼間部)。年2回の一括納付と実習費・設備費の重さが「払えない」を生みやすい
  • 納期前の相談が最優先。納期を過ぎても督促の段階で連絡すれば除籍は避けられることが大半。放置が最も危険
  • 延納・分納の願書は「事情+いつ・いくら払うか+根拠」の3点で書く
  • 使える制度は修学支援新制度(専門学校も対象)、JASSO在学採用・緊急/応急採用(随時)、国の教育ローン(2〜3か月前に申込)、学校が導入する学費保証(月々の分納)
  • 除籍は「未納→督促→最終通告→除籍」の順。基準は学校規程によるため、学則を確認しつつ督促の段階で必ず動く

学費の問題は、動くのが早いほど選択肢が多く、遅いほど狭まります。今日の時点で払えないと分かっているなら、この記事を閉じたあと最初にやることは、学校の学費担当窓口への連絡です。

※本メディア「スクモア」は、機関保証・家賃保証・学費保証事業を行う全保連株式会社が運営しています。

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本PR記事は、閲覧される皆様に、弊社が学費保証に係る商品を取り扱っている旨お知らせすることのみを目的としております。 実際に、専門学校様と新規入学者様(あるいは既存学生様)との間で学費のお支払いに関する契約を締結する場面において、当該商品の付帯が推奨され、あるいはその付帯を義務付けられることはありませんし、またそのような推奨や義務付けがなされることを目的とするものでもございません。

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執筆者

大学卒業後、金融機関にてリテール業務・法人融資業務などを経験。現在は金融・ライフスタイル領域を中心に年間1,000記事以上の記事執筆や数百万PVの金融系メディアのディレクションも行っている。

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