「学生起業なんてやめとけ。大人しく就職しなさい」
親や教授、あるいはネットの大人たちにそう言われると、正直「うるさいな」と思いつつも、心のどこかで「本当に大丈夫かな……」と不安になりますよね。
彼らの言うことは、半分はただの「古い価値観」ですが、残り半分はぐうの音も出ないほどの「正論」です。何の戦略もなく、ノリと勢いだけで起業した学生が、手痛い失敗をして表舞台から消えていくケースを、彼らは何度も見てきているからです。
ただし、言われっぱなしで諦める必要はありません。「やめとけ」と言われるリスクの正体を正しく知って、賢く立ち回れば、学生起業はこれ以上ない人生のブースターになります。
なぜ「学生起業はやめとけ」と言われるのか?耳が痛い5つの現実
周囲の大人たちが反対してくるのには、それなりの理由があります。まずは、学生起業が直面する「5つのリアルな壁」を直視してみましょう。
① 授業に出なくなり、普通に留年・中退する
ビジネスが少しでも回り始めると、とにかく時間が足りなくなります。商品作り、SNSの更新、顧客対応……気がつけば大学の講義をサボるようになり、単位を落として留年、最悪の場合は中退というルートを辿る学生は本当に多いです。「学業と両立する」というのは、口で言うほど簡単ではありません。
② 「社会の仕組み」を知らなすぎて、悪い大人にカモにされる
社会人経験がない学生は、ビジネスマナーや契約の知識が圧倒的に不足しています。そのため、怪しいコンサルタントに高額な費用をむしり取られたり、不利な契約書に判を押してしまったりと、悪意のある大人に騙されるリスクが常に付きまといます。
③ 貯金が溶ける、最悪「借金」を背負う
最初から数百万、数千万と稼げるビジネスは稀です。最初はアルバイトで貯めた軍資金を削りながら進めることになりますが、キャッシュ(現金)が底をつけばそこで試合終了です。知識がないまま金融機関や知人からお金を借りてしまい、若くして多額の借金を背負うケースもゼロではありません。
④ 気がついたら就活の時期が終わっている
「起業した経験」自体は、今の時代、就活でめちゃくちゃ高く評価されます。しかし、ビジネスに没頭するあまり、インターンやWEBテストの対策を一切せず、気づけば同級生がみんな内定をもらっていて自分だけ取り残される……という、時期的なミスマッチで就活に失敗するパターンはよくあります。
⑤ 周りがサークルで楽しそうな中、圧倒的な孤独に襲われる
社長というポジションは、すべての決定と責任を一人で背負う仕事です。売上が立たない焦り、一緒に始めた仲間との意見の食い違いなど、精神的なプレッシャーは想像以上です。周りの友人が飲み会や旅行を楽しんでいるSNSを見ながら、一人でパソコンに向かう日々に耐え切れなくなる人も少なくありません。
失敗する学生、しれっと成功する学生の決定的な差
失敗するパターン:形から入る、プライドが高い
一番ダメなのは、ロゴを作ったり、形だけのオフィスを借りたり、SNSのプロフィールに「CEO」と書いて満足してしまうタイプです。中身がないのに「社長」という肩書きに酔ってしまい、泥臭い営業や顧客に向き合うことを嫌がる学生は、高確率で資金が尽きて終わります。
成功するパターン:プライド皆無、徹底的なスモールスタート
しれっと結果を出す学生は、とにかくプライドが低く、泥臭いです。お金を1円もかけずにできることから始め、先輩起業家やターゲット顧客に「教えてください!」と頭を下げて回ります。カッコつけず、目の前の1円を稼ぐことに執着できる人が生き残ります。
「やめとけ」を黙らせる、起業4ステップ
もしあなたが「それでも挑戦したい」と思うなら、周りの反対を押し切るのではなく、「文句のつけようがないほどリスクを抑えて始める」のが正解です。以下のステップで進めてみてください。
ステップ1:「在庫なし・固定費なし」のビジネス一択
まずは、失敗しても借金を背負わないビジネスモデルを選んでください。店舗を構えたり、最初に仕入れが必要な物販などは学生にはハードルが高すぎます。
- おすすめ: Web制作(デザイン・コーディング)、動画編集、SNSの運用代行、ライティングなど
これらはパソコン1台とWi-Fiさえあれば、今日からでも始められます。自分の「スキルと労働力」を売るビジネスなら、仮に受注がゼロでも、失うのは時間だけでお金は減りません。
ステップ2:大学の「無料の資源」をしゃぶり尽くす
多くの大学には、起業支援の窓口や、無料で使えるコワーキングスペース、OB・OGの起業家ネットワークがあります。これらは高い学費を払っている以上、使い倒さないと損です。大人のツテや、ビジネスコンテストの賞金など、使えるものはすべて使いましょう。
ステップ3:「いつまでに稼げなきゃやめる」というデッドラインを引く
「大学3年の12月までに、個人の力で月15万円稼げなければ、一度事業をたたんで就活にフルコミットする」といった、具体的な期限をノートに書き留めておいてください。これがあるだけで、ダラダラと失敗を長引かせ、人生の選択肢を狭めるリスクを完全に防げます。
ステップ4:「起業」と大騒ぎせず、まずは隠れて「副業」として稼ぐ
わざわざ「起業します!」と周囲に宣言したり、最初から法人化(会社設立)したりする必要はありません。まずは個人事業主として、あるいは単なる「バイト以外の副業」として、最初の1円、1万円を稼ぐことに集中してください。毎月会社員並みに稼げるようになってから、会社にすれば十分間に合います。
まとめ
周囲が「学生起業はやめとけ」と言うのは、あなたの足を引きずりたいわけではなく、純粋に心配しているからです。学業の疎かさや金銭的なリスクなど、その指摘の多くは一理あります。
だからこそ、その心配を「お金をかけず、期限を決めて、まずは副業から始める」という防衛策で、すべて無効化してしまえばいいのです。
行動せずに「あのときやっておけばな……」と後悔するくらいなら、まずは今夜、パソコンを開いて「自分ができる小さな副業」のリサーチから始めてみませんか?その泥臭い一歩が、数年後のあなたを大きく変えるはずです。

