勉強に集中したいときの飲み物は、基本は水や麦茶などカフェインを含まないものをこまめに、眠気を払いたい日中だけコーヒーや緑茶を量を決めて飲む、夕方以降はノンカフェインに切り替える——この使い分けがいちばん失敗しません。
カフェインには眠気を覚ます作用がありますが、飲みすぎたり夜に飲んだりすると睡眠に響き、翌日の集中力を落とすことにもなります。特に18歳未満の人は、大人より少ない量で影響が出ることが公的資料でも示されています。
この記事では、飲み物ごとのカフェイン量を早見表にまとめ、朝・昼・夜・試験当日の選び方、エナジードリンクとの付き合い方を、農林水産省と厚生労働省の資料をもとに解説します。
早見表:勉強中の飲み物とカフェイン量
農林水産省がまとめた食品中のカフェイン濃度をもとに、1杯150mLで飲んだ場合の量を並べました(150mL換算は編集部計算)。
| 飲み物 | カフェイン量の目安 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 水・白湯 | 0mg | いつでも。勉強中のこまめな水分補給に | 特になし |
| 麦茶・そば茶・黒豆茶・とうもろこし茶 | 0mg(茶葉を使わないため) | 夜の勉強、寝る前 | 特になし |
| カフェインを含まないハーブティー | 0mg | 夜の勉強、試験前の休憩 | 商品によりカフェイン入りの配合もあるので表示を確認 |
| 玄米茶 | 約15mg(100mLあたり10mg) | 日中にお茶を飲みたいとき | 少量だがカフェインを含む |
| せん茶(緑茶)・ほうじ茶・ウーロン茶 | 約30mg(100mLあたり20mg) | 日中の勉強 | ほうじ茶もカフェインを含む点に注意 |
| 紅茶 | 約45mg(100mLあたり30mg) | 午前〜昼の勉強 | 夕方以降は控えめに |
| コーヒー(ドリップ) | 約90mg(100mLあたり60mg) | 眠気を払いたい朝〜昼 | 1日の合計量と飲む時刻に注意 |
| インスタントコーヒー | 1杯(粉2g)あたり約80mg | 同上 | 粉を多めに入れるとその分増える |
| 玉露 | 100mLあたり160mg | ― | お茶の中でも特に多い |
| エナジードリンク・眠気覚まし飲料 | 1本あたり約50〜170mg(製品により100mLあたり28〜300mg) | 常用は避ける | 1本でコーヒー約2杯分のものもある |
(出典:農林水産省「カフェインの過剰摂取について」。コーヒー・茶類は日本食品標準成分表2020年版(八訂)の値。麦茶などがカフェインを含まない点は厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」より)
ココアの原料であるカカオにもカフェインが含まれ、ピュアココアの粉末には100gあたり0.2gのカフェインが含まれます(農林水産省・同上)。「ノンカフェインだと思っていた」ということがないよう、ペットボトルや缶の飲み物は成分表示も確認しましょう。
カフェインはどれくらいまでなら大丈夫?
日本では、カフェインの1日の摂取量について明確な基準は示されていません。一方で、海外の公的機関は次のような目安を出しています(出典:農林水産省「カフェインの過剰摂取について」)。
| 対象 | 目安(機関) |
|---|---|
| 健康な大人(18歳以上) | 1日400mgまで(米国・欧州・カナダ・オーストラリア等) |
| 大人の1回量 | 200mgまで(欧州食品安全機関、オーストラリア・ニュージーランド) |
| 18歳未満 | 1日あたり体重1kgにつき2.5mgまで(カナダ保健省) |
| 子ども | 1日あたり体重1kgにつき3mg(欧州食品安全機関) |
たとえば体重50kgの高校生にカナダの目安を当てはめると、1日125mg(編集部計算)。ドリップコーヒー(150mLで約90mg)なら1杯半弱で届く量です。受験生の多くは18歳未満なので、大人向けの「1日400mg」を基準にしないことが大切です。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、こどもは1日あたり体重1kgにつき1〜3mg以上のカフェイン摂取で睡眠に悪影響が出ることが報告されている(体重30kgの児童なら30〜90mg)と紹介されています(出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」)。
とりすぎると何が起きる?
農林水産省は、カフェインをとりすぎた場合に、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、下痢や吐き気などが起きることがあるとしています。カフェインの感じ方には個人差があるので、少量でもドキドキする・眠れなくなる人は量を減らすか、ノンカフェインの飲み物を選びましょう。
時間帯別:勉強に集中できる飲み物の選び方
カフェインが睡眠に与える影響は、量だけでなく飲む時刻でも変わります。厚生労働省の睡眠ガイドによると、日本人のカフェインの血中半減期(体内のカフェインが半分になるまでの時間)は3〜7時間とばらつきがあり、たとえば19時に100mgのカフェインをとると、24時になっても50mg分が体内に残るとされています。そのため夕方以降はカフェインを含む飲食物を控えることが推奨されています(出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」)。
| 時間帯 | おすすめ | 控えたいもの |
|---|---|---|
| 朝(起きてから) | 水、コーヒーや緑茶を1杯 | 濃いコーヒーを続けて何杯も |
| 午前〜昼 | 水・お茶をこまめに。眠い時間だけコーヒー・紅茶 | エナジードリンクの常用 |
| 昼食後の眠い時間 | コーヒー・緑茶を1杯+短い休憩 | 「効かないから」と続けて何杯も飲む |
| 夕方以降〜夜 | 水、麦茶、そば茶、カフェインを含まないハーブティー | コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンク |
| 試験当日 | 飲み慣れたもの。水やお茶を持参 | 当日に初めて飲むエナジードリンクや濃いコーヒー |
朝〜昼:カフェインは「眠い時間の1杯」に絞る
カフェインを使うなら、眠気が出やすい時間帯にピンポイントで。1日の中で何杯飲んだかを数えておくと、とりすぎを防げます。授業中や昼食後の眠気そのものへの対策は授業中に寝ない方法でも紹介しています。
夕方以降:ノンカフェインに切り替える
夜遅くまで勉強する日ほど、夕方からは麦茶や水に切り替えましょう。睡眠ガイドでは、茶類のカフェインは茶葉に含まれるため、茶葉を使っていない麦茶・そば茶・黒豆茶・とうもろこし茶、カフェインを含まないハーブティーなどに置き換えるのもよいとしています。
「夜に勉強する」と決めている人は、勉強の時間帯そのものを見直すのも手です。勉強に最適な時間帯も参考にしてください。
試験当日:いつもどおりの飲み物を
共通テストや入試の当日は、緊張でいつもと体調が違うこともあります。普段飲み慣れていないエナジードリンクや濃いコーヒーを当日に試すのは避け、水やお茶など飲み慣れたものを用意しましょう。試験室での飲食・持ち込みのルールは試験ごとに異なるので、受験案内で確認してください。試験直前の過ごし方は試験直前でも焦らない勉強法と過ごし方にまとめています。
飲み物ごとの特徴と上手な飲み方
水・麦茶:勉強中の「基本の1本」
カフェインを含まないので、時間帯を気にせず飲めます。机の上にボトルを置いておき、区切りのいいところで少しずつ飲む習慣をつけると、休憩のきっかけにもなります。
緑茶・ほうじ茶・紅茶:カフェインは「少しある」
コーヒーより少ないものの、カフェインを含みます。ほうじ茶は「やさしいお茶」のイメージがありますが、せん茶と同じ100mLあたり20mgです。夜に何杯も飲むと、合計ではコーヒー1杯分を超えることもあります。
コーヒー:量と時刻を決めて
眠気覚ましの定番ですが、1杯(150mL)で約90mg。睡眠ガイドでは、カフェイン400mgはドリップコーヒーでカップ4杯分(700cc)、市販のペットボトルコーヒーで1.5本分(750cc)に含まれる量だと紹介しています。大容量のボトルコーヒーを「水代わり」に飲むと、知らないうちに量が増えるので注意しましょう。
エナジードリンク:常用しない
農林水産省は、エナジードリンクには1本でコーヒー約2杯分に相当するカフェインを含むものもあるとして、1日に何本も飲まないよう注意を呼びかけています。また、カフェインを含む医薬品(眠気防止薬など)を飲むときは、エナジードリンクやコーヒー、お茶などカフェインを含む飲料と一緒に飲まないよう求めています。徹夜の勉強で「エナジードリンク+眠気防止薬」を重ねるのは避けてください。
睡眠ガイドでも、エナジードリンクは製品によってカフェイン量に差があり、こどもは摂取量を最小限にするだけでなく、飲むなら朝に限るなどの注意が必要だとしています。
甘い飲み物:ラベルを確認
ジュースや加糖のカフェオレ、スポーツドリンクなどは、飲みやすい分だけ量が増えがちです。成分表示で糖類やカフェインの量を確認し、勉強中にだらだら飲み続けないようにしましょう。
飲み物だけに頼らない:集中を保つ習慣
飲み物はあくまで補助です。集中力が続かない原因が睡眠不足や疲れ、環境にあるなら、そちらを整えるほうが効果的です。
- 睡眠時間を削らない:夜のカフェインで眠りが浅くなると、翌日の集中力が落ちる悪循環になります
- 休憩をはさむ:飲み物を取りに立つ、ボトルから一口飲むといった動作を休憩の合図にする。疲れがたまったときの回復法は勉強疲れの正しい解消法で紹介しています
- 環境を整える:机の上を片づけ、スマホを別の部屋に置く。自宅の勉強環境の作り方、スマホが勉強の邪魔になる理由もあわせてどうぞ
よくある質問
Q. 勉強に一番いい飲み物は何ですか?A. 時間帯を問わず飲めるのは水や麦茶などカフェインを含まない飲み物です。眠気を払いたい日中はコーヒーや緑茶を1杯、夕方以降はノンカフェインに、という使い分けがおすすめです。
Q. 高校生がコーヒーを飲んでも大丈夫?A. 日本には明確な基準はありませんが、カナダ保健省は18歳未満について「1日あたり体重1kgにつき2.5mgまで」を目安にしています。体重50kgなら1日125mgで、ドリップコーヒー1杯半弱です。飲むなら量を決め、夕方以降は控えましょう。
Q. 夜の勉強中に飲むなら何がいい?A. 水、麦茶、そば茶、黒豆茶、カフェインを含まないハーブティーなどです。厚生労働省の睡眠ガイドは、夕方以降のカフェインが夜の睡眠に影響しやすいとしています。
Q. エナジードリンクは勉強に効きますか?A. カフェインで一時的に眠気が覚めることはありますが、1本でコーヒー約2杯分のカフェインを含むものもあります。常用や1日に何本も飲むのは避け、眠気防止薬との併用はしないでください。
Q. 緑茶やほうじ茶ならカフェインを気にしなくていい?A. 気にしたほうがよいです。せん茶・ほうじ茶・ウーロン茶はいずれも100mLあたり20mgのカフェインを含みます。カフェインを避けたいときは、茶葉を使っていない麦茶などを選びましょう。
まとめ
- 勉強中の基本は水や麦茶などカフェインを含まない飲み物。こまめに飲める
- カフェインは「眠い時間の1杯」に絞る。コーヒー1杯(150mL)で約90mg、せん茶・ほうじ茶で約30mg
- 大人の目安は1日400mgだが、18歳未満はカナダの目安で体重1kgあたり1日2.5mg(50kgなら125mg)
- カフェインの半減期は3〜7時間。夕方以降はノンカフェインに切り替える
- エナジードリンクは常用しない。眠気防止薬との併用は避ける
- 試験当日は、飲み慣れた水やお茶を。初めての飲み物は試さない
飲み物を上手に使い分けて、睡眠を削らずに集中できる時間を増やしていきましょう。
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